続・虹の向こう側

書いて、走って、旅をする。日日是魔法日和

ノンフィクション・物語り

母から娘へと繋げる虹の軌跡(4)

その年、2002年は私にとって生涯最も忘れがたい年になる。 マジックナンバー222号は日本の狭山工場で作られてアメリカに出荷された日本国産車だった。納車された後にそれを知った時、あっ、お母さん!と思わず絶句した。工場があるのは母が入院してい…

母から娘へと繋げる虹の軌跡(3)

やるか、やらないか、選択はひとつ。魂では答えは出ている。あまりにも速い展開に心が着いて行けない。心の軸をしっかりと天に通すことが必要だった。そしてそれはシャスタでなければ出来なかった。 セント・ジャーメインがYESと言った。翻訳家YさんからYさ…

母から娘へと繋げる虹の軌跡(2)

2002年の初め、廃車になった車の後に、適用された保険で購入した新車がやって来た。以前と同様、性能の良いホンダのアコード。真新しい薄いゴールドのアコードくんはとても乗り心地がよかった。その後、新しいライセンスプレートがやって来た。ラストの数字…

母から娘へと繋げる虹の軌跡(1)

虹の向こう側へ渡るその日まで、さぁ追いかけろ、光の軌跡を。 自分のお誕生日に娘を産んだある母親にまつわる魔法のお話。 運命の流れが大きく変わる時、人は事故に遭うことがあると聞いた。シャスタに通い始めた2001年の夏、私はロサンゼルスで車の衝突事…

カッパさん

シャスタで出会った不思議な人たちは数知れないが、この方は一線を画して忘れ難き訪問者だった。 お名前は覚えていないがゆえに、カッパさん、と呼ばせてください。 その人は異次元のドアからふらっとやって来た。夕暮れ時のオレンジ色に輝く午後、築100…

60億の魂を救う男

「呼んだでしょ?」とその人は言った。 白龍の住まう虹のカーテンの滝から戻る線路の向こうに人影一人。ゆっくりゆっくりとこちらに向かってくる。ぼんやりとしたその人影にふとピントが合った瞬間に、あっTさんだ!とわかった。 その朝、シャスタのB&Bの玄…

クリスタル・スカルを探し出せ(4)

「アトランティスの時のクリスタルのカケラが眼に刺さっているみたい」、電話の向こうでH美ちゃんが夢からふと覚めたような柔らかい声で言った。「N子さんはアトランティスが崩壊するときに、そのクリスタルの番人をしていて、その時の衝撃で粉砕したクリス…

クリスタル・スカルを探し出せ(3)

早朝駆け込んだ病院はまだ患者の人影もなく、ひっそりとしていた。N子さんの病状を伝えると、すぐに部屋に呼ばれ検査が始まった。まずは眼科、しかし眼に異常は発見されず、その後、CTスキャンを受けることになった。検査の間、強い痛みを抑える為に、N子さ…

クリスタル・スカルを探し出せ(2)

眠りに落ち始めた深夜12時近く、ドアを小さくとんとんと叩く音がした。朦朧とした頭が一瞬にして何か、非常事態を察知した。緊張した思いでドアを開けると、そこに不安そうな目をしたY美さんが立っていた。「すみません、、、ちょっと私達の部屋まで来ても…

クリスタル・スカルを探し出せ(1)

探し物はここにある。遥か遠い記憶の中に。 前日のフライトで関西からやって来たN子さんとY美さんをサンフランシスコのホテルでピックアップしてシャスタまで5時間のドライブが始まった。仲良しで気の合う女友達と、パワースポットと呼ばれる今話題の場所を…

赤い玉を持つ男(2)

「シャスタのガイドをお願いします」と、東京在住のSという男性から依頼のメールをもらったのは、ガイドの予定が立て込んでいる八月夏休みの頃だった。「すみません、ご希望の日程の前後はガイドが入っているので、お受けできません」と返事をした。すると、…

赤い玉を持つ男(1)

昨夜のスーパー・ブラッド・ウルフ・ムーンを見逃して、早朝の西の空に浮かぶ満月を見て思い出したお話。 東京で仕事をするSは日頃のストレスからか、ある日、突発性難聴になってしまった。精神的にも追い詰められたSは不思議な夢を見た。夢の中でSの身体に…