続・虹の向こう側

書いて、走って、旅をする。日日是魔法日和

天から授かったもの

たくさんのものを授かって来た。その中で、まずは名前のこと。

 

「お名前は本名ですか?」と聞かれることがある。なにか、ペンネームみたいな響きがあるらしい。お堅い名前だ。ネットでサーチすると、同姓同名の男性がいらした。もう亡くなっていらっしゃるが、朝日新聞大阪支社の編集長をされていて、気骨のある方だったようだ。ウィキペディアによると「大正デモクラシーの第一線言論人」と評され、普通選挙や軍縮を論じるジャーナリストだったとのこと。いやぁ、同姓同名でそのような立派な方がいるとはなんとも光栄の限りだ。その姓、高原はアメリカに来るに当たって9年間付き合っていたパートナーと入籍したことによって得たわけだけれど、名前というのはこれも魔法、私にとって人生のミッションを与えられたような大切な印となっている。 

 

1995年の初夏にアメリカに渡った。その年は1月に阪神大震災が起こり、3月にサリン事件が起きた忘れられない年だった。どちらもあわや被害にあっていたかもしれない、というニアミスを経験している。私はともかく海外に出れる、というのがうれしくて、成田空港からアメリカに飛び立つ時、2年間の駐在という条件だったけれど、一度出たらもう日本には戻らない、きっと道は見つかる、と強い思いで日本を後にした。100%信じたら、それはもう自分の中の現実なのだ。

 

「高原操」いう新しい名前を授かってアメリカに降り立った私は、その後、5年の月日を経て、その名前に大きな意味を感じるようになる。

 

2000年に世界7大聖山の一つと呼ばれる北カリフォルニアのシャスタ山と出会い、無我夢中で多くの人たちをその山に案内した。その私を見て、「高天原(たかまがはら)に操られているんですね」と言った人がいる。無我夢中でただひたすら天国のような光溢れる山に魅了されて動かされた10年間、まさに操られている感満載の月日だった。

 

ご神託がやって来て、高原という名前を授かって、聖なる山と出会う。ああ、出来過ぎの魔法だ。未熟な魔女っ子にとってそれはとてつもない喜びと試練を合わせ持った天からの授かりものだ。この世に降り立つ前に、「とびきりの魔法をください。そしたら下界に降りて行って仕事して来てもいい」とか言っちゃったのだろうか。ふと、そんな気がして来た。空から落っこって来たおっちょこちょいの魔女っ子天使の大冒険の始まりだった。

 

魔女っ子天使?にはちょっとお堅い名前だけれど、自分の名前をとても愛している。