続・虹の向こう側

書いて、走って、旅をする。日日是魔法日和

初女さんの虹

二日続けて佐藤初女さんのことを書いた。それは本当にふと湧いた思いが書かせたのだけれど、今なぜ初女さんに思いが行ったのか、なんと無しに気になって、ウィキペディアの初女さんのページを見に行った。嗚呼、そうしたら、奇しくも今日、二月一日は初女さんの命日だったのだ。

 

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以前、森のイスキアツアーをさせて頂いた時、ツアーが始まる当日の朝に、宿泊していた弘前駅前のホテルの窓から大きな虹が出て、心底驚き感動した。虹は祝福、そして私にとって天に召された人とのかけがえのない思い出の象徴だ。

 

初女さんをシャスタにお連れした時、ボランティアとして活動を共にしてくれた古川とも子さんという方がご一緒してくれた。当時、とも子さんは末期がんで腹水の溜まったお腹を抱えながら、どうしても初女さんとシャスタにご一緒したい、という熱い思いをぶつけて来られた。とも子さんの初女さんへの慈母を慕うような愛に、リスクを負ってでもお連れするしかないと覚悟を決めた。

 

それから間も無くして、とも子さんは天に召された。その朝、私は虹屋というオーガニックのスーパーマーケットで買い物を終えて外に出た瞬間、大きな虹を見た。そしてふと、とも子さんを思い出してご自宅に電話を入れた。すると、ご主人が出て、今日あたり危ない、枕元に神父様に来てもらっている、とのこと。私は慌てて、それじゃあ、後でお伺いします。と言って電話を切った。その午後にとも子さんの枕元に行くと、すでに意識は無く音も無く眠っていた。とも子さんの傍にご主人と神父様がいらした。私はふと、とも子さんのベッドの窓の向こうを見上げた。すると、遠くに、まるでとも子さんの頭上を包むように大きな虹が掛かっていた。私はとっさに神父様に「虹の意味はなんですか?」と聞いた。「聖書の中に、虹は神様が約束を聞いた印、とあります」と神父様はおっしゃった。

 

私が家に戻り、数時間後に、とも子さんが息を引き取ったという連絡が入った。

 

この地上で精一杯生きて、虹の階段を昇って行ったとも子さんを、私はあっぱれだと祝福したい思いが溢れた。

 

ふと、初女さんの命日に私に虹を見せてくれた二人の女神様達に思いを馳せる。

 

初女さんととも子さんが虹の向こう側で一緒に微笑んでいるようだ。