続・虹の向こう側

書いて、走って、旅をする。日日是魔法日和

バトルフィールドロード・ランニング

気分によって走る場所を選んでいる。今日はBattlefield Road。アメリカ独立戦争の口火を切った場所。イギリスの圧政から逃れてアメリカ大陸へ移住した人々が押し寄せるイギリス兵を相手に火花を散らしここで戦った。今ではアメリカ建国の歴史的モニュメントとして管理されている。トレイルの脇に「イギリス兵ここに眠る。1775年4月19日」と刻まれた石碑が数カ所、当時の壮絶な戦いが今もそこに閉じ込められているかのように時空を漂っている。ここを走っているとふと当時の戦う人たちの足音が聞こえて来るような気になる。244年前の4月19日にバトルフィールドと化したこの場所で命を落とした英霊が今は静かに私たちの足音に耳を澄ましているような気になる。ふと、「君は何と戦っているのだ?」と問いかけられた気になった。バトルフィールドロードを選んで走っている自分に、この場所に足を向けさせる何かがあるのか?と言う自問だったかもしれない。問いかけの答えはすぐに返って来た。「出来ない、と思っている自分の心と。」

 

そう言えば、ボストンマラソンは毎年4月第3月曜日のペイトリオッツデイ(愛国記念日)に開催される。この場所で始まったアメリカ独立戦争を記念する日。ボストンマラソンを走るランナー達の地鳴りのような足音が244年前のその日のバトルロードと重なる。ああ、ボストンマラソンへの道ここにあり。

 

私の答えに、石碑の近くに眠る兵士がふっと薄目を開けて、「そうか、その汗の向こうに勝利があることを祈るよ」そう呟いてまたそっと大地に沈み込み、深い眠りへと帰って行った。

 

走りながらインスピレーションをもらえる貴重なトレイル。

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