続・虹の向こう側

書いて、走って、旅をする。日日是魔法日和

Will Power-意思の力

あの集中力というか執着力は凄かった。

 

モンサンミッシェルへパリからの日帰りバスツアー、5時間のドライブの途中トイレ休憩でオンフルールという小さな港町に立ち寄った。バスの外に出て少し足を伸ばしトイレ休憩&短い散策の時間約25分。3年前に同じ場所に立ち寄ったことがある私はコーヒーを持ち帰りで買うのがやっとの時間だった。

 

しかし、今回、夫の出た行動に目を剥いた。どこかカフェに座ってコーヒー飲む時間あるかな?とは思ったものの、何せ時間が無いので無理だろうとほぼ諦めていた。ところが夫が「せっかくフランスに来たのだからクレープ食べたい!」と言い出して開店早々のお店に入って行った。そんな時間無いだろう!クレープはパリでも食べれるんだから、と私は諦めなさいモードで夫に迫ったが、でもせっかくだから食べたい!という強い願望、情熱、執着力だった。お店の人に「英語のメニューある?」と聞くも、「そんなの無いわよ」と冷たい返事。ここはフランスの小さな田舎町、パリのように観光客相手に誰もが英語を話すような習慣はないようだ。それでもクレープが食べたい夫はフランス語のメニューを見て、唯一分かった「アーモンド」の文字を選んでクレープをオーダーした。まじか?!こんな田舎町でオーダーしたものがどんだけ時間が掛かって出て来るのかわかりゃしない、と内心ハラハラドキドキだった。団体行動で他の人達の迷惑になるのだけは避けたい、という日本人の集団意識が大いに私を不安にした。

 

ところが案外す早くオーダーのクレープは出て来た。朝からこれか?!アーモンド&チョコレートのデザートクレープ。本当は朝食用のクレープを頼みたかったのだが、メニューがわからなかったのでこれになったとのこと。ともかく念願のクレープを美味しそうに満足げに食べる夫を見て、ちょっと呆れながらも、なんだかこの人凄いわ!Will Power(意思の力)だわ!と感心した。私はもう時間が気になってしょうがないので、「先に行ってるよ!後5分、バスに間に合うようにね!」と彼を置いてバスに帰って行った。結局、精算も済ませ、お店のトイレも貸してももらって、無事時間ギリギリにバスに戻って来た。

 

これまでの人生、アメリカの競争社会の中で一度もめげることなく、自分の好きな世界を構築して行った夫の底力を見た思いだった。

 

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現実は自分のWill Powerで引き寄せるのだ。それは時空をも捻じ曲げて想いを実現化する。